成功する秘訣!!中編 TBMG この人から学ぶ

連載!オーナー関口雄二の特集! 中編

体育会系出身という経歴を生かし、秩序を守りながら気配りの接客を心がけたことで回りの人々のハートをつかむ。恩師のアシスタントとして技術を学び、独自のマッサージ法を修得するため整体師からも学んだ。 その結果、アシスタントでありながら指名客が続出。未熟な技術ではありながらも、心のこもった接客が通じ、売上げ3位にまで登り詰めた。

顔を紅潮させながら女性客をシャンプーした修業時代

所沢美容室FACEDECOのオーナー関口 雄二本田先生のサロンに入店できたことが本当に嬉しくて、両親もビックリしてましたね。普通なら、知人の紹介で入店するケースが多いですが、私の場合は自分で門をたたきましたから。ですから、その後にいろんな人に話をすると、『よく入店できたね』と驚かれました。そんな経緯からか、本田先生にはよく可愛がっていただきました。ある日、先生が講習会に行く際の運転手を任された時のことです。事前に地図で目的地までの道順を覚えておいて、『運転は僕に任せて、先生は寝ておいてください』とよく言いました。 そんなちょっとした気配りが気に入ってもらえたようで、講習会に行く時には、常にお呼びがかかりました。でも、体育会系出身で硬派でしたから、サロンワークでは女性客の接客に馴染めなくて、顔を真っ赤にしながらシャンプーをしてました。先輩もそれを知ってて、わざと私に女性客を担当させるんですよ。そんな時、ある野球部の監督さんがお客さまとして来店され、甲子園出場の話をすると気に入ってくれて、『オレのカットをしてくれないか』と言われたんです。

アシスタントの自分にお客さまから指名をもらった驚き

所沢美容室FACEDECOのオーナー関口雄二
当時は大勢の先輩がいましたから、私はそれまでシャンプーとマッサージが担当でした。だから、まだカットデビューをしていなかったんです。当然、トレーニングではワインディングやセットの練習をしていましたし、サロンワークで担当させてもらうために先輩を追い越そうと必死でした。そうして実力をつけて認めてもらう以外に手段がなかったですから。だから、整体の先生にリンパマッサージのコツを教わりに行ったりしましたね。そんな接客をお客さまにしたところ、監督さん以外にも『今日はこの子にカットさせてよ』って言う方が増えたんです。今までカットの練習をしていなかったので、これは異例でした。 当然、左右の長さが違ったりして先輩には怒られるし、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいでした。ところがあるお客さまが、『次もあなたにお願いするから、もう少し上手くなってね』と言われたんです。それから必死でカットの練習をしましたね。毎日、朝の5時くらいまで。ようやく、3年目くらいにはきちんとカットできるようになりました。お客さまのためだと思えば、楽しくて練習もつらくないんです。そんな私は、お客さまに育てていただいたと言っても過言ではありません。

指名客だけで売上げ3位になったアシスタント時代

所沢美容室FACEDECOのオーナー関口雄二
普通は、店長や上の先輩から順番にお客さまを担当しますよね。でも、お店を卒業された先輩のお客さまから、一番下の私に指名が来るんです。卒業された先輩方から、『お前に取られたら仕方ないな』って、ほとんどの人に言われましたね。それが、私の財産です。そのうち、カットマンの先輩が数十人もいるのに、アシスタントの私が指名だけで売上げが3位になったんです。 それも、シャンプーやマッサージからのご指名です。だから、今でもスタッフには、スタイリストになる前からお客さまのためを思って技術をマスターしろと言っています。今思えばその当時、私はお客さまやお店の先輩・スタッフを含めて、すべての人々に支えられていたんだと感謝しています。例の野球部の監督さんは、野球関係者を50人くらい紹介してくれました。そのお陰で、“刈上げ”という技術を習得できましたからね(笑)。だから、9年半が楽しい毎日でした。退職する時、私はまだ辞めたくなかったんですが、本田先生が実家に戻るように言われまして。そうすると、今度はお客さまが『帰るなよ』って言ってくれたり、結婚した時はお客さまが私の激励会を開いてくれたりと、本当に感激しました。そんな素晴らしいお客さまをすべて残して、実家に戻りました。

(つづく)

引用TBMG Vol.71 中編